
炎のそばに、
素材のぬくもりを
薪ストーブのある暮らしに、タイルを取り入れてみませんか?
薪ストーブのまわりは、住まいの中でも特に目を引く場所。タイルを使った壁面は、素材の質感を楽しみながら、空間の雰囲気をつくる仕上げとしても魅力的です。
一方で、薪ストーブは高温になるため、まわりの壁面には熱の影響を考慮した設計・施工が必要です。タイルを貼るだけではなく、薪ストーブと壁との距離や壁面の構成、使用する材料にも注意しなければなりません。
この特集では、薪ストーブまわりにタイルを施工する際に知っておきたい、壁との離隔距離や適切な壁面構成、樹脂モルタルを使用する場合の注意点などを詳しくご紹介します。
薪ストーブの熱を考慮しながら、タイルの美しさを長く楽しむために。施工前に知っておきたいポイントを確認していきましょう。
薪ストーブと壁はどれくらい離す?
離隔距離のイメージ

薪ストーブなどの火気設備を設置する際は、火災予防のため、建築物や周囲の可燃物との間に「離隔距離」を確保する必要があります。
必要な距離は、薪ストーブの種類や設置方法、周囲の壁面の構造などによって異なります。一定の防火対策を施すことで、離隔距離を要しない構造とできる場合もあります。
そのため、薪ストーブまわりにタイルを施工する場合も、タイルだけで判断するのではなく、ストーブ本体と壁面との距離や、壁の構成を含めて設計することが大切です。
※消防庁「火気設備等の設置における離隔距離について」より抜粋・一部加工
薪ストーブまわりの壁にタイルを使うには?
薪ストーブ設備の内壁納まり参考

薪ストーブまわりの壁面にタイルを施工する場合は、熱の影響を考慮した壁面構成と張付材の選定が重要です。
タイルの張付けには、不燃性の樹脂モルタルを使用し、施工前にタイルとの接着性を確認してください。なお、壁面の表面温度が60℃以下である場合は、有機系接着剤を使用できる場合があります。
また、必要な壁面構成を確保できない場合は、薪ストーブと壁面との間に十分な離隔距離を設けるなど、設置条件に応じた設計が必要です。
さらに、壁面の仕上げだけでなく、建築物の内装制限にも適合するよう計画する必要があります。吹き抜けなどの高所へのタイル施工では、使用する張付材の性能範囲を超えないよう注意しましょう。
薪ストーブまわりに適したタイルとは?
タイルは熱を受けると温まり、蓄えた熱をゆっくりと放出する性質があります。薪ストーブの熱を受ける壁面にも、タイルは相性のよい仕上げ材のひとつです。
今回ご紹介するタイルは、JIS A 5209に適合するBⅠ類(磁器質・施釉)。熱伝導率は1.3W/m・K、比熱は880J/kg・Kです。
タイルそのものの性能だけでなく、下地や張付材、薪ストーブとの離隔距離などを含めて適切に施工することで、薪ストーブのある空間にタイルの質感を取り入れることができます。
適用タイル
- JIS A 5209
- BⅠ類(磁器質・施釉)
- 熱伝導率:1.3W/m・K
- 比熱:880J/kg・K
参考資料
- JASS 19「セラミックタイル工事」
- 建築基準関係法令
用途実績
- 木造軸組構造への内壁タイル張り
BⅠ類(磁器質・施釉)
タイルはJIS A 5209で、吸水率などによって分類されており、BⅠ類は「磁器質」にあたります。
「B」は成形方法による区分で、B=押出し成形ではなく、乾式成形されたタイルです。
「Ⅰ」は吸水率の区分で、BⅠ類は吸水率が3.0%以下という分類です。
タイルの熱に関する性質
薪ストーブまわりに使用するタイルのJIS A 5209に適合するタイルの仕様と熱に関する性質
| 項目 | 数値 | |
| 熱伝導率 | 1.3 W/m・K | 熱が素材の中を伝わる性質 |
| 比熱 | 880 J/kg・K | 素材が熱を蓄える性質 |
熱伝導率とは?
熱がタイルの中をどれくらい伝わりやすいかを示す値です。熱伝導率が高いほど、熱が素材内を伝わりやすくなります。
比熱とは?
一定量の物質の温度を上げるために必要な熱量を示す値です。比熱が大きいほど、温度が変化しにくく、熱を蓄える性質があります。
樹脂モルタルを使うときの注意点
薪ストーブまわりにタイルを施工する場合、タイルだけでなく、タイルを貼り付けるための材料についても熱の影響を考慮する必要があります。
樹脂モルタルを使用する場合は、使用する製品の耐熱温度や施工条件を事前に確認することが大切です。 樹脂系の材料は製品によって性質が異なるため、「樹脂モルタルだから薪ストーブまわりに使える」と一律に判断することはできません。
また、薪ストーブから壁面までの離隔距離や、下地の構成によっても必要な施工条件は変わります。タイルの種類だけでなく、下地・張付材・離隔距離を含めた壁面全体の構成を確認したうえで施工してください。
樹脂モルタルを使用する際の確認ポイント
- 製品の耐熱温度・使用条件を確認する
- 薪ストーブとの離隔距離を確認する
- 下地の材質・構成を確認する
- タイルと張付材の組み合わせを確認する
- 施工は製品メーカーの仕様・施工方法に従う
薪ストーブの種類によって熱の伝わり方が違う
薪ストーブには、大きく分けて「輻射式」と「対流式」があります。
同じ薪ストーブでも、熱を伝える仕組みが異なるため、薪ストーブまわりの壁面を考える際には、使用するストーブの特徴を知っておくことが大切です。
輻射式薪ストーブ

輻射式は、ストーブ本体から放射される熱によって、周囲を直接暖めるタイプです。
ストーブの表面から放射された熱が、壁や床、家具などに届くことで、それらの表面も暖められます。ストーブの近くでは強い熱を受けやすいため、設置する際は機種ごとに定められた離隔距離や周囲の防火対策を確認することが重要です。
対流式薪ストーブ

対流式は、ストーブ周辺の空気を利用して室内を暖めるタイプです。
ストーブ本体や二重構造の内部で暖められた空気が上昇し、周囲の冷たい空気と入れ替わることで、室内に暖かい空気が広がっていきます。
輻射式に比べて熱が空気を介して広がるため、ストーブ周辺の熱の伝わり方にも違いがあります。 ただし、対流式であっても壁面への熱の影響がなくなるわけではありません。設置時には、使用する機種の施工説明書などを確認し、適切な離隔距離を確保する必要があります。
薪ストーブまわりに選ばれているタイル
アーバングランド
スクエアですっきりとした大壁スタイルのタイル。天然石の雰囲気が、洗練された都会的な印象を与えます。お洒落なスタイルにマッチする厚みを最小限にした軽量化大判タイル。
アーバングランドボーダー
天然石の雰囲気を表現したストーンスタイルのボーダータイル。洗練されたシルエットが美しい、モダンテイストのボーダー。格調のある空間を創り出します。厚みを最小限にした軽量化大判タイル。
アーバングランドストーンスタイル
天然石の持つニュアンスを追求した大型の外壁タイル。上品で高級感のある印象を与えます。厚みを最小限にした軽量化大判タイル。
アーバングランドボーダーストーンスタイル
天然石をモチーフとしたリッチテイストのボーダーです。高尚ながらもくつろぎのある装いを演出します。厚みを最小限にした軽量化大判タイル。
響 -HIBIKI-
金属釉の煌めきを取り入れたタイルです。沁み込んだ月日の流れと創るふたつとない味わいが特徴です。使い込む程に育つ焼き物の醍醐味を継承するクラフトタイル。
アーレイ
テラコッタにセメント、それぞれの特徴を緻密に再現しました。素材の持つ豊かな表情を空間に活用していただけます。
エマソン
天然石の本来持つ風合いや美しさを再現しながら、タイルとしての強度や機能性を高めたテラゾータイルです。ランダムに広がる砕石模様がナチュラル感を演出します。
モンセラット
変色や劣化に強い磁器質タイルで作られた乱形石調のタイルです。厚みが揃って施工しやすく選べる3サイズ&扱いやすい11mm厚です。

薪ストーブまわりのタイル施工で気をつけたいこと
薪ストーブのまわりは、炎のぬくもりだけでなく、タイルや石材などの素材感を楽しめる場所でもあります。
一方で、高温になる薪ストーブを設置する際には、ストーブと壁との離隔距離や壁面の構成、使用するタイル・張付材など、いくつか確認しておきたいポイントがあります。
大切なのは、タイルだけで判断するのではなく、薪ストーブ・壁・下地・張付材を含めた全体の施工条件を確認すること。 使用する薪ストーブの施工説明書や、各材料の仕様を確認し、適切な施工を行いましょう。
必要な条件をきちんと確認しておけば、タイルの選択肢はぐっと広がります。
レンガのような温かみのあるタイル、石材を思わせる落ち着いたタイル、素材感を楽しめるタイルなど、薪ストーブのある空間だからこそ映える仕上げがあります。
安全性に配慮しながら、好きな素材を選ぶ。
薪ストーブの炎とタイルの質感がつくる、自分らしい空間を楽しんでみてはいかがでしょうか。
よくある質問
- Q薪ストーブのすぐ近くにタイルを貼っても大丈夫ですか?
- A
タイルだけで判断することはできません。薪ストーブとの離隔距離、壁面の下地構成、張付材などを含めて、使用する薪ストーブと材料の施工条件を確認する必要があります。
- Q薪ストーブの炉壁に使用できる接着剤はありますか?
- A
弊社で取り扱っている接着剤やモルタル製品には、薪ストーブの炉壁での使用について耐火性を検証した製品はございません。そのため、薪ストーブの炉壁への使用を前提とした接着剤やモルタルとしてはご案内しておりません。使用する材料については、各メーカーの仕様や施工条件をご確認ください。
- Q樹脂モルタルは薪ストーブまわりに使用できますか?
- A
製品によって耐熱温度や使用条件が異なるため、一律には判断できません。使用する製品の仕様を確認し、薪ストーブまわりでの使用条件に適しているか確認してください。
- Q薪ストーブまわりにはどんなタイルが使えますか?
- A
JIS A 5209に適合する磁器質・施釉タイルなどがあります。ただし、タイルの種類だけで使用可否を判断するのではなく、薪ストーブの機種や壁面構成、施工条件を含めて確認してください。
- Qシールタイプのタイルは使えますか?
- A
シールタイプのタイルは、火気や熱源の近くでの使用には適していません。タイル本体ではなく、目地部分や裏面のシール接着部分が高温によって軟化・劣化し、剥がれるおそれがあります。薪ストーブまわりなど、壁面の温度が70℃を超える場所では使用しないでください。 ご使用の際は、壁面の温度を確認したうえで、70℃以下の場所に施工してください。
- Q薪ストーブまわりのタイルは、どんなデザインがおすすめですか?
- A
レンガ調や石材調など、素材感を楽しめるタイルは薪ストーブのある空間と相性のよい選択肢です。当店では、さまざまな色や質感のタイルを取り扱っています。
薪ストーブ周りのタイル施工前に確認したいこと
薪ストーブまわりにタイルを施工する際は、タイルの種類だけでなく、薪ストーブの機種や壁面の構成、使用する材料など、いくつかの条件を確認する必要があります。
施工を始める前に、チェックリストを参考に、必要な項目を確認しておきましょう。使用する薪ストーブの施工説明書や各材料の仕様もあわせて確認することで、より適切な施工につながります。
薪ストーブ周りのタイル施工前チェックリスト
□ 使用する薪ストーブのメーカー機種
□ 薪ストーブと壁との離隔距離
□ 壁面の下地・構成
□ タイルの種類・仕様
□ 張付材・目地材の使用条件
□ メーカーや施工業者への確認事項
薪ストーブのある空間に、タイルで個性を

薪ストーブは、空間の中でもひときわ存在感のある場所。
そのまわりをどんなタイルで仕上げるかによって、空間の印象も変わります。
レンガのような温かみを感じるタイル、天然石を思わせるタイル、落ち着いた色合いのタイルなど、選ぶ素材によって薪ストーブの表情も変わります。
必要な施工条件を確認したうえで、住まいの雰囲気に合う素材を選んでみてください。
薪ストーブの炉壁に人気の耐火レンガ特集

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