
タイルをきれいに切る方法|グラインダーでタイルをカットする
タイルのカット、うまくいってますか?
グラインダーでタイルを切ると「欠けてしまう」「斜めになった」「粉がすごい」などのお声が多いようです。初めてのタイル施工は特に“きれいに切るのって難しい”と、心が折れそうになる作業ではないでしょうか。
きれいに切るためのコツはあるの?
初めてでもできる?
実は、あるんです。
本来なら、「切って、切って、切りまくって覚えろ」と、親方に叱られそうなテーマですが、私達はDIYで頑張るあなたの役に立ちたいと、心からそう思っています。今回ご紹介するのは、職人さんが実際にやっているきれいに切るための「知恵」を特集します。あなたのお役に立ちますように!
よくある失敗・よくある悩み

初めてのタイルカットに挑戦した方には、どうやらこんなお声が多いようです。
- 切り口が欠ける
- ラインが曲がる
- 粉塵がすごくて大変
- 切ってる途中でタイルが割れる
- きれいに切れない
それ、〇〇が原因かもしれません!
悩み | 主な原因 | 解決策 |
---|---|---|
欠ける | 替え刃が合ってない・切り方が急 | 替え刃選び + ゆっくり切る |
曲がる | 最初の当て方が雑 | ガイドライン&罫書きを入れる |
粉が舞う | 乾式&水を使っていない | 霧吹きで軽く湿らせる |
タイルが割れる | 摩擦熱 or 支えが悪い | 断熱材 or 安定した土台の上で切る |
きれいに切るための手順|職人さんの知恵
表面から切って欠けを防ぐ

基本は表面(化粧面)から切ること。裏から切ると、切れ目の出口で“欠け”やすい。「表側に線を書いたら残るのが嫌…」と思っていませんか?次の手順を見てください。
マスキングテープを貼る

切断ラインにマスキングテープを貼ってから切ると、表面の欠けを軽減できる。タイルが汚れている作業中に剥がれるので、ホコリや汚れを拭き取ってから貼る。
マスキングテープ活用のメリット
- 表面の欠け防止効果
- 光が反射しにくくなり切断ラインが見えやすい
- 黒系タイルなら特に切断面がわかりやすくなる
- ズレの防止(滑り止め効果も少しアリ)
ガイドラインを書く

マスキングテープの上から切断線をしっかり書く。マスキングテープは剥がせばいいので、油性ペンでもOK。
黒っぽいタイルなら、マスキングテープのおかげて切断線がわかりやすくなる。
艶のあるタイルは、これで光の反射がしにくくなり、切断線がわかりやすい。
カッターで軽く筋(罫書き)を入れる

罫書き=あらかじめカッターで軽く筋を入れておく技法。切断の美しさを左右する超・重要工程。やるかやらないかで仕上がりに“天と地の差”が出るレベル。グラインダーの刃のうっかり滑りやズレを防いで、ラインがきれいに仕上がる。
どんな道具がいい?
普通のカッターで軽く1~2回なぞるだけでも効果あり。ガラスカッターやスジ彫りカッター(Pカッター)なら表面をパリッと傷つけられる。
霧吹きで軽く湿らせる

カット直前に切断ラインを霧吹きなどで軽く湿らせておくと、粉塵が抑えられ、刃とタイルの摩擦熱が下がることで欠けのリスクも減る。少しでも仕上がりを良くするためのプロの工夫。
※水のかけすぎはショートや感電の恐れがあるので注意!
軽く霧状に1~2プッシュ程度でOK!
切断スピードは“早すぎず・遅すぎず”

ゆっくりすぎると摩擦熱が高まり、タイルが割れやすい。早すぎると刃が暴れて欠ける。音を聞きながら「シャー」って一定に切れる感覚が理想。
安全は切断精度より大事
切断する時はタイルを固定すること。タイルの固定はクランプを使う。膝や足で固定 → 絶対NG!
最後の数ミリは慎重に

完璧な切断ラインは最後の一呼吸で決まる。ここで力を加えると内部にテンションがかかって、思ってもみない方向へパキッと割れる、飛ぶ、角が無くなる。最後の一瞬は逃がすようにする。
押さない・逃がす・音を聞く
- 刃をグッと押し込まず、軽~く当てる
- スピードを落とす
- 切断音が変わる → あ、そろそろ貫通しそう
替え刃選びは「命」ともいえる


タイルに適した替え刃を使用していますか?
「仕上りが荒いな」と思ったら、原因は腕じゃなくて「刃」かもしれません。
ダイヤモンドブレードの選定
タイル用の薄刃タイプを使用してください。「タイル用」「磁器質タイル用」等の記載があるものを推奨します。切断面の美しさを重視する場合は、リム型(コンティニュアスリム)の薄刃が適しています。
→ セグメントブレード(ギザギザの刃)だと切断面が粗く、タイルが欠けやすくなります。
用途 | 形状 | 理由 |
---|---|---|
磁器質タイル | 薄刃ダイヤモンド・リム刃 コンティニュアスリム | 硬くて欠けやすいタイルを切断する。切断面が美しい。 |
コンクリートブロック | ターボ型 | 切断スピード重視。多少の欠けが出る。 |
鉄筋入りコンクリート | セグメント型 | とにかく硬い素材に対応可能。 |
替え刃を複数用意する重要性
切断するタイルの量が多い時は、替え刃も複数枚用意します。グラインダーの刃は砥石より早く減るもの、言ってみれば「消耗品」です。切れ味が落ちたな、ひっかかるな、と感じたら、新しい替え刃に交換することです。無理に長く使うと、タイルが割れたり、ブレードが欠けて思わぬ事故につながります。
タイルを切る理論とコツ|親方の教え
■ 新品の刃は“ならし運転”
新品の刃は“角”が立ってるので、少し不要なタイルを切って「角を落とす」と本番で欠けにくくなる。まず一枚試し切りする。
■ 罫書き(けがき)って必要?
必要かと言えば必要ではない。でも、罫書きがあると刃がスッとついていくように進むから、初めての人やツルツルしたタイルを切る時には便利。
■ 刃の回転方向と粉の逃げ道
グラインダーの回転は手前に向かってくる。粉や破片を飛ばす方向、作業姿勢、安全のためにも、回転方向は常に意識!粉の逃げ道を読む者、現場を制す。
■ 固定と浮かせの“二刀流”
タイルの下に緩衝材(ゴムマット、厚めの雑誌)を敷くと振動を抑えて割れにくい。少し“浮かせる”ようにセットすることで刃が抜けやすくなり、裏面の割れ防止にもなる。動かさない。でも縛らない。ちょうどいい“ゆるさ”が大事。
■ 粉の色で“切れ味”を読む
切って出る粉の色が“白すぎる” → 摩擦が大きすぎる(=刃が劣化してる)。落ち着いたグレーや薄茶の粉はいい仕事の証。
■ “刃を当てるな、預けろ”
力を込めて押すと欠ける、焦ると割れる。刃に仕事をさせるつもりで、”自分はただ導く”くらいの力感でいい。
■ 振動で感じる“割れそう感”
手にビリビリくるとき、それはタイルからの「無理してる」サイン。「タイルが泣いとる」と言う。刃をほんの少し浮かせる or スピードを下げると収まることも。
■ 最後の数ミリは“祈り”
最後の部分は“音”が変わる。硬い響きから軽い音になった瞬間が勝負どころ。グラインダーをわずかに浮かせる or スピードを落とす。刃を逃がしてやる、刃をな…。
■ 安全は絶対
いいか、切断が1mm ずれるのはやり直せばいい。でも指を1mm でも怪我したら、もうタイルは貼れねぇんだ。
■ 霧吹きは気遣い
水を吹きかけることで粉塵が舞いにくく、刃の摩耗やタイルの発熱・割れを防げる。タイルも刃も人間も、熱くなりすぎちゃいかん。
自分でタイルをカットするメリット

自分でタイルをカットできると、現場でちょうどいいサイズを作ることができます。目地のバランスを見ながら、タイルの並べ方の様子を見ながら、その都度グラインダーでシャーッと切断できれば、施工時間も短縮でき、仕上りもとても美しいものが出来上がる事でしょう。
職人さんの知恵を活かして、是非あなたのDIYにも役立ててください。
タイルのカットはご注文が可能です
セラコアミッド店では、タイルのカットのご依頼も承っています。
グラインダーの使い方がちょっと怖い、
自分できる自信がない、
そんな理由で、タイル施工をあきらめることはありません。
このご依頼は『セラコアミッド店で購入する商品』が対象です。カットの料金は、カットのデザイン・材質・枚数によりお見積りしています。カットの図面を描いて送っていただくと、お見積もりをお送りしています。どうぞご利用ください。